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年上のカノジョ

第1章 家庭教師が来た!

「ねえ、何で丸つけしてないの?」

「だって解答写しただけだから全部合ってるの当たり前だろ。そんなのいちいち丸つけてたら面倒じゃん」

…わかってる。

そんなことしたって勉強にならないことくらい知ってる。

でも、どうせ真面目にやったってできないだけだし、時間もかかって面倒だから、とりあえずノートをうめるために答えを写す俺の気持ちもわかって………もらえるわけないか。

「祐樹……」

遥はため息をついた。

「あんた、アホでしょ」

ぐっ…

小さい頃の偉そうだった遥がよみがえってきた。

「そんなんじゃいつまでたってもできるようになるわけないじゃない」

「………」

「先に行けばいくほど大変になるのは自分だよ?」

遥の言うことはもっともだ。だけど、できない俺にどうしろって言うんだ。

「わからなかったら友達に聞けばいいじゃない。聞ける人、いないの?」

「いないわけじゃないけど…」

「まあいいわ。あたしが教えてあげる。その為にここに来たんだし」

それもそうだ。遥は俺の家庭教師として来ているんだった。

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