Love Days ~大好きなヒト~
第5章 双子の職場体験
「だって…。 隆君の事だから、きっとりんにべたべたするに決まってる…。」
「れんちゃん…。」
それを聞いた班員はというと…。
「ちょっと! さっきからなんなのよ!」
「そうよ! さっきから今市さんを「隆君」って呼んだり、べたべたする、って言ってみたり…。」
「馴れ馴れしいにも程があるのよ!」
…わ~、荒れてる…。(笑)
そう思っていると、
「あんた、ホントにウザい!」
と言って、1人がれんの事を突き飛ばした。
「…おっと。」
「!? 隆君…?」
飛んだれんを支えたのは…。
「隆兄…。」
「大丈夫? れんちゃん。」
「あ、有難う…。」
…この時だけは(笑)、隆兄が格好良く見えた。
「えっ…。 澪音?」
「痛いな…。 何するのよ、もう…。」
「そんな、そっちが悪いんじゃない!」
自分が突き飛ばしたのにも関わらず、全く反省の色を見せない相手に、イライラしてきた。
「あんた達ね! ちょっとは…」
「ねえ、皆さん。」
私が爆発しそうになったのを阻止したのは、隆兄だった。
「え、隆兄?」
「ゴメン。 りんちゃんは見ててもらえる?」
「は?」
「俺も…。 りんちゃんが喧嘩する所なんて見たくないし、でも、れんちゃんを傷つけられたのは、許せないから…。」
そう私に小声で言うと、隆兄は皆の前に進み出た。