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妖魔滅伝・団右衛門!

第4章 足軽退魔師団右衛門

 
 昨晩の記憶も定かでなく、朝も訳の分からないまま団右衛門に犯される。何が起こったのか掴めないまま、体だけは追い立てられる。獣のように荒々しく、きつく責められるのは苦しいが、容赦なく襲う快楽は激しい愉悦をももたらした。

「ぁ……い、はぁ……っ」

「な、いいだろ? あんたもこんだけ感じてんだ、オレが好きだろ。いないと、困るだろ?」

「そんな、事、は……」

「オレはあんたじゃないと、駄目なんだよ……嫌と言う程愛してやるからさ、そばに置いてくれよ」

 狂いそうになる嘉明が頭の隅に浮かべたのは、昨日の口喧嘩。清正を手放しで褒める団右衛門に気を削がれ、つい悪態を吐いてしまった事だ。案外団右衛門が気にしていたのだと気付くと、嘉明の中で抵抗する理性が小さくなっていた。

 酒は、人の本性を覗かせる。団右衛門もまた、本性のまま語っているのだろう。

「この……馬鹿者!」

 一際強く突かれたその時、嘉明は極め全身を震わせる。団右衛門も絶頂に達し、嘉明の中へ欲望を放った。

 嘉明は繋がったまま体を翻し団右衛門と向き合うと、団右衛門の頬を押さえる。
 

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