妖魔滅伝・団右衛門!
第4章 足軽退魔師団右衛門
「そうか、寂しくなるな」
「でも秀吉様の茶会もあるだろ? すぐにまた会えるさ」
「秀吉様の茶会?」
「招待状、届いただろ? 今月の末に秀吉様が皆を呼んで茶会するって。俺と正則、長政に三成、義継も招待されたらしいし、お前にも来てるはずだが」
清正が名を挙げた武士は、皆幼い頃から秀吉様に仕える若者である。その面子ならば、嘉明が呼ばれると考えるのは当然だ。だが嘉明に、心当たりはなかった。
「もしかすると、寝込んでいる間に届いたのかもしれない。確認してくる」
「ああ、すっぽかしたなんて言っていられないからな。じゃ、俺は休ませてもらうぞ」
嘉明と清正の腹も膨れたところで、この場は解散となる。しかし団右衛門は、まだ今日何も口にしていない。食べるものを求め、炊事場まで向かう事にした。
一方、嘉明はすぐに茶会の件について家臣達に訊ねる。すると青ざめた家臣は慌ただしく散り、八千代を連れて戻ってきた。
「申し訳ございません、嘉明様!」
「……連絡が、行き違っていたのか?」
土下座して謝る小姓頭と八千代に、嘉明は詳細を訊ねる。すると小姓頭が、八千代の頭を押さえながら答えた。