
妖魔滅伝・団右衛門!
第9章 最終決戦・団右衛門!
そして不用意な攻撃は、隙を作る。傷を与えるどころか刀を掴まれ、団右衛門は刀ごと振り回されてしまう。
「くっ!」
団右衛門が刀から手を離し八代を避ければ、八代は団右衛門の刀を鞘ごと折ってしまった。
「万事休すだな、退魔師」
すると余裕めいた八代の足元から、突然蔓が伸び巻き付く。それは団右衛門ではなく、一二三の力だった。
「まだ、終わりではありません!」
いつの間に子どもから大人に変わったのか、一二三は青年の姿となり八代を睨みつけていた。が、元々一二三には一人に戻ってもらわなければ意味がないのだ。八代にうろたえはなかった。
「このような脆弱な力で、何の役に立つ? 弱き力を百束ねたところで、圧倒的な一の力には敵うまい」
「そうでしょうか? ねえ、明さん」
「!」
八代の背後、後頭部を的確に狙い木の枝で出来た槍で強襲するのは、拘束したはずの嘉明。木の枝では傷を与えられなかったが、それは八代の心に同様に与えた。
「明さんを拘束していた縄、何で出来ているか知ってます? 木から生まれたものは、全て私の兄弟です!」
