
妖魔滅伝・団右衛門!
第9章 最終決戦・団右衛門!
木の葉の着物に身を包み、嘉明は木の槍を八代目掛けて突く。同時に巨大な棍棒を一二三から与えられた団右衛門も、八代に突撃した。
嘉明は、目や口、爪の先など、肉壁をもってしても鍛えられない急所を的確に狙ってくる。斬撃が効かないなら打撃と、力を重視する団右衛門の切り替えの早さも厄介だった。
「小賢しい……雑魚共がぁっ!!」
八代は二人の攻撃を避けず、強引に一二三へ手を伸ばす。そして一二三を片手で掴むと、地面に叩きつけ頭を思い切り殴った。
「一二三っ!」
「うっ……がはっ」
一二三は頭から琥珀の血を流し、苦痛の表情を浮かべたまま動かなくなる。そして八代は動揺から来る一瞬の隙を突いて、団右衛門の棍棒を掴んだ。
「っ、やべっ――」
棍棒を奪い取ると、八代はそれを団右衛門に叩きつける。団右衛門は吹き飛ばされ、受け身こそ取ったが衝撃は骨まで響いた。
「雑魚が啄もうとしても無駄だ!! 儂は強い、誰よりも強くなった!! 死ね、忌まわしき退魔師よ!」
八代は団右衛門の首を手折ろうと、大きな手を広げ伸ばす。しかし嘉明が倒れた団右衛門に庇うように抱きつき、その手を止めた。
