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妖魔滅伝・団右衛門!

第2章 嘘つき団右衛門

 
 片手で下腹部を、もう片手で胸を弄ってやれば、嘉明は色よい声を漏らし腰を揺らす。今嘉明が団右衛門を求め、挿入を懇願するなら喜んで突き入れるところだ。しかし嘉明は、そこまでねだる程団右衛門に狂ってはいないようで、駆け巡る快感に一人で浸っていた。

(欲しいって自分から言う程、素直にしてやらないとな。まあ、今日は抱けただけで満足だ)

 あまり長引かせては可哀想だと思い、団右衛門は両手の動きを早める。

「ん……あ、ぁあっ、ぅくっ!」

 嘉明から放たれる白濁は、散々吐き出した後だからか薄く少ない。これでは鬼の薬にはならないだろうな、とぼんやり考えながら、団右衛門はそれを舐め取った。

 その後は今度こそ身を清めてやり、団右衛門は嘉明を寝かせてやる。そして団右衛門も体を拭いて着物を身につけ、嘉明の枕元に座った。すると嘉明は団右衛門を見上げ、口を開く。

「そういえば、鬼の精を受けると人はどうなるんだ? 毒である事に違いはないだろうが……八代は近くによく知っている者がいる、と言うばかりで教えてくれなかった」

「八代?」

「それが鬼の名前だ」
 

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