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幻星記序章~白夜の時終わりぬ…だが黎明の時来ず

第7章 〈三の剣〉

合の子のヤフー車の先頭に、〈シセリウス〉、〈六の剣〉、カーン、リューンが乗り、後の車にエイナとミリリアが乗った。リューンとエイナは細身の〈リング〉を付け、〈六の剣〉とカーンは五地〔5cm〕ほどの大きさの〈リング〉を付けている。〈リング〉は、〈騎士〉のオーラを一時的に下げる効果があり、町や城などでは必ず付けなければならない。
「こちらに近づくでかいオーラを感知できるだろう…。」対面に座る〈六の剣〉が切り出す。
「…う、うん…。」
「弱いオーラ二つは〈八〉と〈九〉だ。」
「すさまじいなぁ…。」カーンがぽつり…呟く。
「う、うん…。」
「あいつの癇癪で、〈八〉と〈九〉が怪我をしているだろう…。」
「大怪我でなければよいのですけど…。」
「陛下…。」〈六の剣〉が嘆息を吐く。
「なんです…。〈六の剣〉…。」リューンのオーラが乱れているのを感じている。
「ふぅー。〈シセリウス陛下〉…リューンで、遊ぶのはお止め下さい…。」カーンが間に入る。
「つまらない…。」〈六の剣〉がぼやく。
「えっ!俺!!。」とまどいの声を上げる。
「着きますよ…。」ヒィーンー。馬のような鳴き声を上げると止まった。
玻璃のような透き通った煌めきを持つ〈シュレイアール城〉が眼前にそびえ立つ。何度見ても…その美しさに…息を飲む。茫然とするリューンを尻目に…エイナ、ミリリアは、〈シセリウス〉達の後に続く。カーンが振り向き、少し…大きな声で
「リューン!!。」
「………う、うん。」足早に後を…追う。くすりー〈シセリウス〉が、笑みを…零す。

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