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幻星記序章~白夜の時終わりぬ…だが黎明の時来ず

第7章 〈三の剣〉

中に通されると、今度は三階の〈玉座の間〉に案内された。広々とした空間の奥には、数段高くなっており、玉座が一つ置かれいた。その横に〈ネイア〉が立っている。左右には、既に〈剣〉達が居並んでいる。その中の中央左に〈六の剣〉が並ぶ。〈シセリウス〉、カーン、エイナ、ミリリア、リューンと続く。玉座に座る〈シセリウス〉。その左手に、カーンとリューンが並ぶ。右手には、エイナとミリリアが並んだ。皆…神妙な面持ちでその時を待つ。近づく巨大なオーラ…一つ、その後ろから弱いオーラが二つ。ごくりー生唾を呑むリューン。
「荒れているなぁ…。」
「かなりなぁ…。」〈五の剣〉と〈七の剣〉ひそひそと話す。
「〈紫銀の剣〉様…〈漆黒の剣〉様…〈緋炎の剣〉様…。ご帰還にございます…。」〈一の副官補佐アイサ〉の声が響く。
〈三の剣〉を先頭に、〈八の剣〉に支えられながら…左足を引き摺って入って来る〈九の剣〉…。〈八の剣〉も右手をだらりと下げている。
「おかえりなさい…〈三の剣〉…。」
「ただいま戻りました。」〈三の剣〉は豪奢な獅子を感じさせる、黄金の腰まである豊かな髪と顔の上半分を仮面で覆った出で立ちで現れ、膝まづいた。耳には、貴石の紫水晶を中心に金銀貴石の数々をちりばめた豪華な細工を付けている。かなりきしゃな姿をしているうえ、背も…〈シセリウス〉の191地より5地低いー186地と、かなり…低い。
「〈八の剣〉…〈九の剣〉もご苦労様…。」頭を軽く垂れる二人。〈八の剣〉は、赤茶の髪と瞳を持ち、貴石は、ガーネット。額飾りをつけている。〈九の剣〉は、薄い茶の髪と青みがかった黒い瞳を持っている、貴石は黒曜石。首飾りをつけている。〈八の剣〉と〈九の剣〉の背は208地。
「そなた達を呼び戻したのは、そこにいるリューンの話によります。」注視され、あわてふためく。
「〈三の剣〉…。私と共に〈八の要〉を回る旅に出てもらいます。」
「私も…同行させて下さい。」〈四の剣〉が、皆を代表として言う。
「レリーが居ます…。〈三の剣〉…良いですね。」
「かしこまりました。」
「話は以上です…。下がりなさい。」
「はっ!。」一礼をして下がって行く〈剣〉達。
「レリー達も下がって良いですよ…。」
「はい…。それでは失礼します…。」一礼するカーン。慌ててそれに習うリューン。丁寧なお辞儀をするエイナとミリリア。





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