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幻星記序章~白夜の時終わりぬ…だが黎明の時来ず

第10章 祭

どこから情報を得たのか?…今、町は祭の準備であわただしい。
「ほーんと祭好きだな…。」
「〈六の剣〉…。おまえが漏らしたのか?。」カーンが辟易した表情で問う。
「まさか!。」耳飾りが揺れる。
「〈刀〉や侍女達の話を聞いたのだろう…。」額飾りを付けている〈十の剣〉が、割って入る。
「陛下の方は、大丈夫のようだな。」
「あいつが居るからな…。」。首輪を付けている〈七の剣〉が、答える。
〈剣〉側の食堂に来ているリューン、カーン、エイナ、ミリリア。
「〈一の剣〉様のお成りです。」〈一の副官〉ルイサが口上を述べる。
金の髪に、右が青、左が紫の瞳をした〈一の剣〉が現れた。貴石は、サファイア。派手な髪飾りを付けている。
「〈紺碧の剣〉…様…?。」リューンがつぶやく。
「〈一〉…。久しぶりだな…。」耳飾りを付けている〈十一の剣〉が声を掛ける。
「久しい。です。」〈二の剣〉、〈三の剣〉を除く〈一〉から〈十三〉の〈剣〉がうち揃った。その圧倒的な美しさの前にぐうの音もでないリューン。カーンは、対面の〈六の剣〉と酒を酌み交わしている。エイナとミリリアは、おとなしく食事をしている。〈一の剣〉が上座の席に座った。
「〈一〉は、〈次代〉の時に事故に遭っている。」額飾りを付けている〈五の剣〉が、答える。
〔ふーんそうなんだ…。〕リューンは内心そう思う。〈一の副官〉マグレーンが取り皿に料理を盛り〈一の剣〉に差し出す。
「ところで…〈紫銀の剣〉様は?。」カーンが問う。
「修練所にいる。」首飾りを付けている〈九の剣〉が答える。
「?。」
「おまえたちに頼りたくないのだろう…。」髪飾りを付けている〈十二の剣〉が答える。
「あいつは頑固だからな…。」〈六の剣〉が答える。
「〈傭兵〉ごときに頼る訳にはいかないだろう…。」〈五の剣〉が答える。
「あいつは、〈三の剣〉だからな…!。」〈七の剣〉が答える。
「?。」意味がわからないリューン。
「あいつの名は、特別だからな…。」〈四の剣〉が答える。
「百万年…。誰一人〈名〉を継いだ事がありませんからね。」〈十三の剣〉が答える。
「明日の宴は、五時半だ。」〈十の剣〉が答える。
「わかった…。」
「了解した。」
「はぁーい」
「うん…。」カーン、エイナ、ミリリア、リューン…四人は、答えた。

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