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幻星記序章~白夜の時終わりぬ…だが黎明の時来ず

第3章 〈六の剣〉

「カーン…久しぶりだな…。」
「あぁ…。そうだな…。」
「30年ぶりだ…。」
「そんなになるか…。」
「まったく…よく化けたなぁ…。で、どっちの作品だぁ…。」
「〈ミアン〉…のだ。」
「〈ミアン〉様のか…。」
「大作だ…。」
「オーラが同じだったからお前だとわかったが…。」
「そう…怒るな…。」
「あきれているだけだ。」
「それより陛下は?」
「町に出ておいでだ。うわっとー」右耳を押さえ転げる。
「〈ネイア〉様からだ…。《シュレイアール城に来い…》だそうだ…。」
「わかった…。」
「…。」
「何だ?。」
「〈ネイア〉様の事だから…。」
「わかっている…。」
「剣を貸そう…。」
「頼む…。」
「おまえ等帰るぞぉー」
リューンたちと、じゃれていた〈刀〉たちが、ばらばらと寄って来る。
「もう…お戻りで…。」
「〈ネイア〉様に呼ばれたからなぁ…。」
「〈ネイア〉様に…。」とたんに…嫌な顔をするナイサ達。
「何だー?…。」
「本気にならないで下さい…。」
「わしもまだ…死にたくない…。」
「おまえらなぁ…。」はぁー無謀な駆け引きに嫌気が、差す。とぼとぼと、一人…歩き出す。その後を…追い越すことなくついて行く〈六の刀〉達。
「わしらも行くぞ…。」
「うん。」
「あぁ。」
「はぁーい!。」カーンの後をリューン、エイナ、ミリリアと続く。この後の事態を予想していないリューン達。カーンは、一瞬…苦笑じみた顔をするも直ぐに真顔に戻り、足早に歩く。

秀麗な〈シュレイアール〉城は、セアム島のほぼ南に位置する。ガラス細工の玻璃のような美しい城は…100万年間ー変わることなく佇んでいる。北東に小さな湖があり、その東側には、館が二つ…佇んでいる。一つは、〈刀〉の養成所。もう一つは、図書館。紙は、貴重品の為、普通は…〈カナ〉と呼ばれる球に念写して使う。本は、ここと二つの神殿にしか納められていない。

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