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タバコとシャボン玉

第4章 心


私達の他にも、二階には沢山の女子が我慢大会をしていた。


洋服の首元を伸ばして風を作ったり、手でパタパタしたりと様々であるが、やはり皆、選手に目が釘付けであった。


ピーッという笛の音がなり、体育館に流れていた緊張感が一気にほぐれ、選手たちは休憩に入った。しかし、二階の通路は、ピンと張り詰めた空気へと一変した。


幹子「美咲!行くわよ!」


さっきまでだれていた幹子は、立ち上がるや否や、私の手を無理やり引っ張り、通路を猛スピードで駆け抜けた。


そして、一階に降りる階段を一段飛ばしで降り、すぐに選手たちのもとへ走った。もちろん、私達だけではない。


一階に降りてきた女子達は、各々タオルやペットボトルを選手たちに差し出し、目をキラキラと輝かせながら、選手達を労っていた。



幹子はといえば、最初の勢いがなくなり、背伸びをしながら、群がっている女子達の前方を確認していた。


私は、少し遠くからそれを眺めていたが、暑くて暑くてしょうがなかったので、その場を無視して体育館の外へ出た。

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