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タバコとシャボン玉

第2章 出会い

しばらく歩くと、いつもの橋に差し掛かった。


決して新しくはないが、別段古くもない、どこにでもある小さな橋。橋の下は雑草だらけだが、昔は川が通っていたような跡が残っている。



私は、この橋が大好きだ。



ここに越してきてすぐは、いつもこの小さな橋の上で夕日を眺めていた。心が落ち着くというか。本当に初めて来た場所なのにどこか懐かしさがあった。



橋に一歩を踏み出すと、ギシッと木のなる音がする。


高くもなく、低くもなく、適当な音。



しかし今日はその音よりも、目の前にいる、あの男に釘付けになってしまった。

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