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タバコとシャボン玉

第2章 出会い

男「俺は剛(つよし)。画家を目指して、ってちょっと!どこいくのさ!」


私は嫌な予感がした・・・



いや、予感より確実な。確信に近い悪寒が走ったのを感じた。

この男には、あまり関わらないほうがいい。


私は、男の横を通り過ぎ、橋を渡って走り出した。






──二、三分くらい走って、ゆっくり態勢を整えた。


久しぶりに走ったので、雨なのに、じっとりと汗をかいていた。


大きく息を吸って、フーッとゆっくり吐いた。


あの男は、何だったのだろうか。
画家を目指・・・とかなんとか言っていたが、そんな人が普通、大事なペンを落とすだろうか。ましてや、落とした筆を釣りの要領でとるなんて。



あの橋はそこまで高い橋ではないし、降りようと思えば、男の子なら普通に行けると思うが。


まだ息が整わない。


考えれば考えるほど、とても怖くなった私は、疲れていることも忘れ、また家に向かって走った。

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