私のこと知らないくせに。
第3章 犬と私と猫。
キーンコーンカーンコーン
ガラガラッ
「…?何やってんの?」
また、男の人の声。この人遅刻ギリギリじゃん
タッタッ
男の人がわたし達の方に近づいてくる。
「へぇ、楽しそうなことしてんね?はーるき♪」
「は?ざけんなカオル、てめぇもーいっぺん中学いってろ」
「えー。それは、困る~。中学なんて楽しくないもんっ」
教室に、またひとり人が増えて。頭上で会話をし合う人達。
「んーで、こんな話どーでも良くて。どーゆー状況?」
いきなり、声のトーンが低くなるカオル?さん
『ひっ』
クラスの人がみんな怖がってる、どんな顔してるんだろ。
ガラガラッ
「ん?新入生、朝っぱらから何してんだ??」
あ、こんどは先生が来たみたい。
「ん?なんでもないよ先生♪」
「?そうか、ならいいんだが。ほら、みんな席付け」
そう先生が呼びかけると、みんなは無言で席についた。
「お前らも席つけよ?お前ら3人後ろの空いてる席だから」
と、指さした方を見ると
窓側の席で横と前が空いてる状態だった
「ほら、はるちゃん行くよー。」
「ああ、わかったから離せ」
あ、離れたくない…。
と、思ったら。ふわっと抱き上げられた
「お前ちょー軽いのな、びっくりしたわ」
と、笑顔を向けられた。犬みたいに笑う人だ
初めて見た私の救世主は、狼犬みたいなイケメンだった。