私のこと知らないくせに。
第3章 犬と私と猫。
「このあと、体育館に移動するから。
それまでなら自由にしてていいぞー」
このあと、いよいよ始業式が始まる。
始業式終わったら、もう家に帰るのか。
何しようかな、何もすることないなぁ
「ねーねー。これ終わったらさ、もう下校じゃん?
どっか遊びに行かない?ねー、はるちゃーん」
遊べる人いるんだ。ちょっと羨ましい
「は?なんでお前と二人で遊ばなきゃなんねーの」
「とか言って、俺以外に遊ぶ人いないでしょ?」
「は、それお前もだろ」
「はは!せいかーい♪」
先生の言ったとおり座ると
春輝
私 薫
だった。
薫くんとか、私の机に自分の机くっつけてくるし。
春樹くんなんて、私の机が机みたいにしてるし。
すごい、自由人だ…。
「ねーねー。さーちゃん?」
さーちゃん?
「え、私?」
自分を指さして、薫くんの方をみる。
「そそ♪よかったらさ?一緒に遊んでください!」
と、私に手を差し伸べてくる。
なんか、告白してきてるみたいな感じになってる。
「ふふっ…よろしくお願いします」
私は、笑顔で手を握って答えた。
一人になろうって決めたのに
ねぇ、ちょっとだけなら信じていいよね?
バッ
「薫、お前変なことすんなよ。」
何事かと思うと、むすっとした春樹くんが私を抱き寄せてた。
「いやいや、一番さっきから変なことしてんの春輝でしょ」
ぶーってほっぺたを膨らませて言う薫くん。
「んなの、ふつーに決まってんだろ」
よりいっそ、私の肩を掴む手に力を入れる。
なんか、犬と猫がオモチャの取り合いしてるみたい
「ふふっ」
『何笑ってんの!』
「へ?あ、ごめんなさい」
キーンコーンカーンコーン
「おーし、じゃあ廊下に並べー」
その先生の一言で、みんなが廊下に並ぶ。