私のこと知らないくせに。
第6章 喧嘩
『おらぁ!全員でかかってこいや!!』
『なめんじゃねーぞ!!』
さっき、はるが窓から外に飛び降りて行った。
でも、ここ3階だよ?はるは人間じゃない。
私が最近知ったことの一つだ。
「はるちゃん、燃えてるねぇ♪」
声の方を見ると、面白そうに窓から外を眺めるカーくん。
「前から思ってたんだけど、なんでカーくん
ハルと一緒に喧嘩しに行かないの??」
「ん?俺??俺はねー。」
ぎゅっ
「こーやって、紗那と一緒にいるため」
「…ん?いっつも一緒にいるじゃん♪
それとも、普段からこーやってぎゅーってしたいの?」
ん?顔が赤い。熱あるのかな?
「カーくん、ちょっと屈んで?」
「ん、なに?…なっ」
「んー、熱はないみたい。顔赤かったから」
よくお母さんが、私のおでこに自分のおでこくっつけて
熱あるかってやってくれてたから。思い出してやっちゃった
「おい、薫。」
「あ、はるちゃんおかえりー♪」
ゴッ
「…っ。何すんのさ」
「紗那に、あんま近寄んじゃねーよ」
「は?春樹の紗那じゃないじゃん。
だから、俺が紗那に何しよーが関係ないでしょ。」
え、なんで二人とも喧嘩してんの?
ハルがカーくん叩くのなんていつものことなのに。
「おい、お前らさっきから…」
『あ?』
うわぉ、息ぴったり。
先生、タイミング悪いなー。
今、二人とも機嫌悪い感じなのに。
「…コホン。今は授業中だぞ
そんなに騒ぎたいなら廊下に出てなさい」
『あ?あんたに言われなくても出てくに決まってんだろ』
また、息ぴったり…て、ちょ!
「やっぱり、私も行かなきゃなのー?」
どちらからともなく、左右の手を握られた。
『あたりまえ』
「むー」
にしても、いつものじゃれ合いだったはずなのに
ハルもカーくんもどーしたんだろ?
カーくん、確実に怒ってる口調だったし。
とりあえず、いつもの場所で話さないと!