私のこと知らないくせに。
第3章 犬と私と猫。
『新入生が退場します』
校長の話とかで凄く長い始業式が終わる。
「やっと終わったなぁ」
「偉いね、最後まではるちゃんがいるなんて♪」
「そりゃ、紗那いんのに抜けらんねぇだろ」
「え、わたし?」
「あぁ」
「ヒュ〜♪」
「なんだよお前」
ふふ、仲いいよなぁ。
「あ!!」
「へ?」
突然、拍手の合間から声が聞こえる。
「紗那ちゃーん!!おめでとー!!!」
「この声は確か…」
華さん?だよね??
「あ、華ちゃんじゃん!」
「あー、あいつなんで紗那のことしってんの?」
薫くんと春樹くんが口を揃えていう。
「えーっと、華さん私のこの飾り付けてくれて。」
自分の胸元の飾りを見せる。
「ほー。なかなかの胸の大きさ」
「ちょ、薫てめぇどこ見てんだよ!」
と、春樹くんが薫くんを叩く。
「いたっ」
『新入生、早く退場しなさい』
「へ?」
「あ?」
マイクのほうを見ると、先生がマイクを握っていた。
わーお、そっかまだ私達2、3年生の間にいたんだ
「あ、ごめんなさい!」
「ったく、うっぜぇな」
「えー、はるちゃんが悪いんじゃん」
「てめっ!」
きゃー♪♪とか、言いながら薫くんが走って逃げていく。
その姿を笑いながら見ていると
ふわっと、手を握られて。驚いていると
「ほら、紗那行くぞ」
と、私の手を引く春樹くん。
なんか、いちいちの行動にドキドキするな
「うん♪」
その気持ちを隠して、私は笑顔で春樹くんについていく。