テキストサイズ

私のこと知らないくせに。

第5章 再開

春樹side


突然、紗那がインフルエンザや風邪。

とりあえず、いろんな理由で学校に来なくなった。


「っんでだよ」


ひとり、ベットの上で仰向けになって目を腕で覆う。


「なんで、お前は…」


今まで、どんな物にも興味を持たなかった俺が。
高校に入って初めて、一人の女に興味を持った。

初めて見た女への気持ちは。

【守ってやりたい】

それだけだった。

なのに


「あったばっかりなのに
なんでこんなに、お前がいないだけで胸が苦しいんだよ。」


早く、紗那に会いたい。


「はぁ、俺おかしぃわ」


そう思ってた昨日の俺。

今日もあの笑顔に会えねーのか。
こんな面白くもねぇとこ、行く意味あんのかよ。


「はーるちゃん♪ほら、学校行くよー」

「わかったから、ほんとお前うぜぇ」

「知ってる♪」


知ってんなら、直せよ。


ガヤガヤっ


学校について、周りが一段と騒がしいことに気づく。


「なんか今日、学校中が騒がしいね?」


薫も異変に気づいたらしい。


「あー、なんかまた新しい玩具でも見つけたんだろ」

「なるほどねぇ〜」


ほんと、くっだらねぇよな。



ガラガラっ


「ふぁ〜っ」

「あ、んもぉ。はるちゃんってばー」

「んだよ」


どうせ、また紗那の家行こーだろ?


「周りの人にさーちゃんの家聞いていこーよー」


ほらな。俺だって行きてぇんだよ


「うるせぇな、心配だけど熱とかあんだろ。」

「だから、行かなきゃいけないでしょーが」


バシッ


「ってぇな!ふざけ…」


とすっ


ふわっと甘い香りがしたと思ったら
腰に腕が回されてて、誰かが俺に抱きついていた。





誰だ?


「ただいまっ」


…っ。

俺、コイツを知ってる


この声とこの笑顔は絶対に。


「…紗那?」



ストーリーメニュー

TOPTOPへ