テキストサイズ

私のこと知らないくせに。

第5章 再開

紗那side


キーンコーンカーンコーン


「ほらぁー。お前ら席つけよー」


あ、久しぶりの先生。


「先生!」

「ん?…誰だ?隣のクラスの子か?」

「ぇ。私!紗那だよ?」


んー?と、唸りながら首をかしげる先生。


「さなって、小倉 紗那だろ?
お前…そんなに、風邪つらかったのか?」


先生まで、そんなことを…。


「いや、大丈夫だよ!私自身の事情で。
始業式そうそう、迷惑かけてごめんなさい!

今日から改めてよろしくお願いします。」


もう、何週間もたってるんだもんね。


「いやいや、そんなの気にするな!
欠席は、気にするなよ?ほとんど、感染系の病気だったし

これから、勉強頑張れ!先生は、応援してるから」


うわ、すごくいい人だ!


「うん!ありがとうございます!!」

「なんかあったらいうんだぞ!
よーし、じゃあお前ら席つけー。ホームルーム始めるぞー。」


なんか、今思ったけど。グループできてるなぁ


「ほら、何つったってんだよ。
ちゃんと、俺について来い。ほら」


と、手を握ってくる春樹くん。


「わー!ずるーい、俺も俺も♪」


と、もう片方の手を握ってくる薫くん。


「ふふ。なんか、幸せだな♪♪」

「…んだよ、いきなり」

「俺も幸せー♪」


グループとか、そんなのいらない。
わざわざ、上辺だけの友達ごっこをするなら

私は、ここにいたほうがいい。
そう思える、場所ができたんだ。




ストーリーメニュー

TOPTOPへ