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私のこと知らないくせに。

第2章 助けて。


バシャッ


「ひっ」


まただ。


「きゃはは!ひっだって!!」

「いちいち声だしてんじゃねぇよ!ぶす!!」

「ぎゃははは!!さいこー!」


トイレの個室に入ると毎回水をかけられる。


ガラッ


「失礼します」

「あら、どーしたの?そんなに水浸しで」


心配そうな顔をした保健医。


「ちょっと、水かかっちゃって」

「あ、そうなの?」

「はい、ちょっとここにいていいですか?」

「え?」


おもむろに嫌な顔をする。


「あ、迷惑ですよね?失礼しました。」

「あ、いいのよ?ここにいて。先生心配だもの」


優しい人だって思ったんだこの時は。


「服脱いだ?替えの服置いとくわね?」


そう言って、渡されたのは泥まみれのジャージ。


「え…先生これ汚いです」

「え?…あら?どこも汚くないわよ?」


こいつもあいつらと同じなんだって思った。


「じゃあ、ゆっくり休むのよ?おやすみなさい」


しゃっ


カーテンが閉められて。


どーでもいいと思って眠りにつく。


「うわぁ。何このぶす、ここで寝てんの?」

「ごめんなさいね。仕事上寝かせてあげないと」

「先生も可哀想だよねー。
こんなんの相手しなきゃでしょ?」

「仕方ないわよ、自分で選んじゃったんだもの」


あー。やっぱり、そーなんだ。


しゃっ


「あら、おはよう?ゆっくり休めた??」

「あ、はい。」

「これ、乾かしといたから。どーぞ」


と、手渡しされたのはビリビリに破けたセーラー服


「きゃはは!先生よくやったー!!」


先生も生徒もみんな私の敵。

仲がいい子なんて居ない。お母さんだけが私の味方



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