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Alice is where?

第3章 Alice helped her to change.

部屋には、ボロボロでスプリングのないベッドと使い古した毛布、壊れかけの机に灯りの代わりとしてのロウソク--しかなかった。

そして、ある事に気付いた。
もう一つ、家具であるべきものがないのだ。

「……シンデレラさん、クローゼットは……?」

本当は聞いてはいけないことかもしれない。
けれど、聞かずにはいられなかったんだ。
その質問を聞いたシンデレラさんは、立ったまま何も答えずに、俯いてしまった。

少し間を置いてから、私は

「もしかして……」

そう言われたシンデレラさんは、俯きながらではあるが、答えてくれた。

「はい、お察しの通りです……。洋服も、ドレスも……!!私は、持って、ないんです……!!」

最後の方になると、声が震えていた。
理由を聞くのは、お互い辛いだろうから、聞かないかった。
何より野暮だと思った。

その姿を見て、私はより一層強く、シンデレラさんをー彼女を、舞踏会へ連れていこうと決心した。

だから、自分に出来ることを精一杯やろう!!

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