愉快誘拐
第1章 何かの間違い
目を開けた時にはそこは全くの別世界だった。周りは薄暗く外気の寒さとは違い暖房のあたたかさからきっとここは室内だと予測する。
そして、首の違和感。
手で触るとどうもそれは首輪のようなものだ。それには鎖が垂らされている。
「は、」
恐怖とこの夢のような状況のせいで笑いが出そうになる。
きっと俺は拉致られたんだろう。
そしてここに監禁されている。
なんで、どうして、どういうことなんだ。
視界がグルグルと回る。
「気がついたの?」
ゆかにうずくまるようにしていると俺の死角にあたるところから声が投げかけられた。