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愉快誘拐

第1章 何かの間違い



ばっと起き上がり声のした方向を睨む。

こんな薄暗い部屋でスマホをいじっていたのだろうか。スマホの光がこちらに向けられていて逆光でそいつの顔が見えない。


「おはよー。よく寝たね。」

明るめの声で言葉を投げかけてくる。

「……ぁ」
聞きたいことは沢山あったはずだがどれを聞けばいいか分からず声が詰まる。

「あー困ってる困ってるー。そりゃそうだよねぇ。こんな状況で冷静にいられても遊びがいがないもんねー」

遊びがいって…
あぁ俺はコレから拷問でもされるのか…?

「…ふざけんじゃねぇよ…」
「ん?」

「ふざけんじゃねぇよ!!!ここから出たらてめぇ警察突き出してやる…!!!」

恐怖に苛まれながらも相手の物腰の柔らかそうな雰囲気に声をあげる。





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