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王子様のプロポーズ〜クロード編〜

第2章 ノーブル様とゼン

ゼン:『・・・・!』


榎本:『・・・・』


絶句状態のゼンを真顔で見続ける榎本。


しばらく沈黙が流れた


すると


榎本:『・・とユリ本人が伝えて欲しいと言っていました。』


ゼン:『・・・・』


心臓が止まるかと思いきやどうやらユリは生きてる。


なんだか紛らわしい言い方だと抗議したきなる気持ちを抑える。


ゼン:『ではユリは無事なのですね?』


榎本が静かに頷くのを見て安堵の息を吐く。


そしてジッと見つめられる。


ゼン:『それで今はユリはどうしてるんですか?出来れば会いたいのですが・・』


榎本:『会ってどうなさるおつもりですか?』


ゼン:『無事を確認する為です。ユリが1人で困っているのであればノーブル様は連れて帰って来る様にと仰せになりました』


榎本:『ユリは僕のアパートで暮らしています。』


ゼン:『!』


榎本:『正確に言うと段蔵さんが亡くなる前の事です。中学に通わせる為に養子に出したんです。年頃の女の子をいつまでもホームレスのまま暮らして行く事は不敏だと言っていました。今は僕のアパートに居ますが・・あんな事があった後です。やっと落ち着いた状態ですがまだ学校にも行こうとしません。それに男が怖いのか誰とも会いたがりません。』


ゼン:『そうですか・・』


ゼンは榎本から段蔵が殺された事件の事やユリの情報を聞き心を傷めるもののユリと榎本の関係がとても気になった。


ゼン:『失礼ですが・・貴方はユリの・・』


榎本:『同居人です。』


ゼン:『・・・・』


ゼンはそれ以上何も聞かなかった。



結局ユリに会えない帰国する事になり10年後に再会する事になる。


その間、ユリはノーブルとゼン宛に手紙のやり取りをするだけの関係だった。







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