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段蔵はユリに学校へ通わす為に鵜飼探偵事務所を訪れた。


鵜飼とは仕事仲間で有力な情報を段蔵は鵜飼と金でやり取りしている。


段蔵は女の子であるユリをこれ以上ホームレスとして暮らさせていく訳にはいかないと思い鵜飼に事情を説明した。


すると鵜飼は離婚したばかりの30代半ばでまだ結婚のチャンスがある時に子供が居ると何かと不敏だと思う。


しかしだからといってユリを追い出す事も罪悪感を感じユリをあるアパートに連れて行く。


榎本径が一人暮らしをしているアパートだった。


彼は高校受験生だった。


ユリは弁護士になるまでこのアパートに住み暮らす様になる。


ユリが中学生になり毎朝と学校帰りに必ず公園に行き段蔵に会いに行く。


そんな毎日を繰り返す中、ニュースで親父狩りをする若者のグループが居ると話題になっていた。


段蔵はまさにその若者に集団で殴られ殺された。


ユリはそれを目撃してしまい止めに入ると若者達はユリを下品な眼差しを向けユリを輪姦した。


制服は破られあられもない姿を榎本が発見し介抱したがユリは放心状態のままショックでしばらく動かなかった。


シャワーを浴びながら何度も自分の身体を引っ掻き傷を作る。


見ていられないながらも榎本は無言で悲痛に思いながらもユリを支え続けた。




段蔵の死を知ったのは彼の死後の半年後。


ノーブルとゼンはその知らせに心を傷めた。


ユリはどうしているのかと2人は心配しノーブルはゼンを日本に向かわせた。


しかしゼンはユリに会う事は出来ないまま帰国を余儀無くされる。




帰国前の事、ゼンは榎本という男に会った。


眼鏡を掛けた端整な顔だがゼンから見た榎本は何処か幼く見える。日本人だからだろうか？


しかしそんな幼さのある彼だが何を考えているのか読み取れない程無表情で座ったまま微動だにしない。


それに寡黙な雰囲気にユリの事を話してくれるのか不安に駆られる。



榎本:『ユリは死にました』


ゼン:『！』


突然の一言にゼンは反応が出来ない。何を言っているのか。