王子様のプロポーズ〜クロード編〜
第2章 ノーブル様とゼン
これまでの王子達の会話を静かに聞いていたノーブルとゼンが口を挟む。
ノーブル:「ほお、ユリを専属デザイナーに雇うとは中々目の付け所が良いのお〜」
ゼン:「ええ、彼女は器用ですからね。大抵の物は何でも作りこなします」
ノーブル:「ちょうどわしらにも服を作って貰おうとお願いしたぐらいじゃ」
ゼン:「ノーブル様、これも良い機会かもしれません。」
ノーブル:「うむ。ウィル王子」
ウィル:「何でしょう?」
ノーブル:「しばらくユリを休ませる為にデザイナーとして雇ってやって欲しい」
思いもよらぬノーブルからのお願いに目を丸くする
ウィル:「休ませる・・というのは?」
ノーブル:「ユリは今心の傷を癒す為に世界を1人旅をしている。その理由はわしの口からは言えんが・・少し弁護士の仕事から離れてみるのも良いかもしれん」
ノーブル城を出る為に廊下を歩いているとゼンが近づいて来る。
ゼン:「ウィル様、ユリをどうぞよろしくお願いします。」
優雅にお辞儀をする彼はユリとどういう関係なのか?
ウィルは気になりつつも今は敢えて突っ込まない様にした。
ウィル:「ああ、分かった」
そう短く返事を返しクロードの待つリムジンへと歩いて行った。