王子様のプロポーズ〜クロード編〜
第3章 フィリップ城へようこそ
ユリはフィリップ城へやって来た。
門番の1人に手紙を見せ事情を話すと敷地内に入れてくれ城の入り口の扉の前まで案内してくれた。
少し待つと扉が開きピエールと来た時に案内してくれた執事のクロードが現れた。
門番が態々クロードに説明してくれると直ぐに持ち場へ戻って行った。
クロードは無表情のままユリを見下ろす。
それはまるで初めて成瀬弁護士に会った時の事を思い出す。
クロード:「・・・・」
ユリ:「あの・・この手紙を貰って来たんですけど・・」
ユリは敢えてデザイナーの依頼の事は口に出さずクロードに送られて来た手紙を見せる。
クロードは無言でそれを受け取り内容を確認すると眉間に皺を寄せユリに突き返す。
クロード:「申し訳ございませんが貴方を雇った覚えはありません。どうぞお引き取り下さい。」
ユリはポカンとクロードを見つめる。
ユリ:「ほんとですか?」
クロード:「ええ。確かに手紙には貴方の名前が記されていますがこちらの手違いです。」
ユリ:「そうですか良かった〜!じゃあ帰って大丈夫なんですね?」
クロード:「ええ」
ユリ:「分かりました。それじゃあ、失礼します」
ウィル:「待って!」
ウィル王子が慌てて掛けて来た。
ユリ:「?」