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王子様のプロポーズ〜クロード編〜

第3章 フィリップ城へようこそ

クロード:「ユリ様」


ユリ:「あ、はい」


クロード:「お食事をあまり取られていないようですが・・」


ユリは1日、1回か2回メイドが持って来た食事を一口二口囓っただけだった。


ユリ:「・・・・」


クロード:「ユリ様、食堂へお越し下さい」


ユリ:「食堂?」


城内には王子達専用の食堂以外にメイドや執事など働いている人専用の食事の間があるのだがクロードはユリに一度も案内して居なかった。


ユリはクロードの後に付いて行き食堂に案内され席に座る。


ユリ:「・・・・」


暫くするとクロードはトレーを1つ持って戻って来るとトレーをユリの前に置いた。


トレーにはコーンスープにサラダとパン、スクランブルエッグにポークまで付いていた。


更にクロードはティーセットを持って来てユリに紅茶を注いだ。


ユリ:「ありがとうございます。頂きます。」


ユリは少し困惑しながらもクロードの行為を受け入れスプーンを手に取りスープを口に運んだ。


しかし、ユリは全てを平らげる事は無かった。


スープとサラダは残さずに完食したもののパンは半分齧って終わりスクランブルエッグとポークは残していた。


クロード:「随分少食なのですね」


眉間に皺を寄せながら言うクロードはユリが食事を終えるまで前に座りコーヒーを啜っていた。


ユリは残したら不味かったかなと罪悪感を感じて残ったものを頑張って食べようか迷う。


食事を適当に済ませ過ぎた所為かすっかり胃が小さくなってしまった。



クロードはユリに口説く休息を取る様に注意したりもっとしっかり食べる様に注意すると去って行った。


言い方はキツイもののユリを心配しての行動だがユリには睡眠も食欲もあまり無い。


寝る時は必ず安定剤が無いと寝られない。



ウィル王子やクロードはユリがデザイナーとして認めてもらう為に徹夜して懸命に働いていたと思っているが、確かにそれもあるが実際は何かに没頭し起きて居ないと不安で落ち着かず眠れない。


ユリは一旦部屋に戻り冷たいシャワーを浴び着替えてから再びアトリエに戻った。

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