王子様のプロポーズ〜クロード編〜
第3章 フィリップ城へようこそ
そして一週間後
ユリは7着の衣裳以外に余分に5着も衣裳を完成させていた。
スーツやシャツ、それに合うネクタイに小物類など・・
それらの衣裳を持って執務室に訪れウィル王子に試着してもらう。
ウィル:「流石だね。やっぱり君に来て貰って良かったよ。」
ユリ:「ありがとうございます。サイズは大丈夫ですか?採寸もしないで作ってしまったんですが・・」
ウィル:「そういえばそうだったね。サイズは悪くないと思うけど・・」
クロード:「採寸もしないでどうやってウィル様にピッタリな服を・・」
ユリ:「ピエールさんから型紙をコピーさせて貰ったんです」
成る程と思う一方ウィル王子は出来ればちゃんと採寸して欲しいと頼んで来たので測り直す事に。
メジャーを持ちウィル王子のウエストや腕、肩などあちこち測り直すと
ユリ:「あ・・」
ウィル:「どうかした?」
ユリ:「ウエストが1センチ痩せてます。スラックス緩くなかったですか?」
ウィル:「確かに少し緩くは感じたけど気にならなかったな」
ユリ:「型紙作り直しますね。衣裳はどうしますか?」
ウィル:「このままで構わないよ。」
ユリ:「わかりました。また何かあったら言って下さい。直ぐに直せますから」
ウィル:「ああ。それより今日はもうゆっくり休んだ方が良い」
ユリ:「え?」
ウィル:「目が少し赤い・・」
ユリ:「あ、はい・・そうします」
にっこり微笑みユリは執務室を出て自室に戻った。
シャワーを浴び寝支度を整えるとタブレットケースから安眠剤を取り出し飲むとベッドに入りゆっくりと目を閉じた。
ユリが眠りについた頃、ウィル王子は日本に居た頃のユリの事をユリに内密で調べる様に命じた。
これをきっかけにクロードの中でユリに対する想いが大きく揺らいで行く。
そしてウィル王子からユリの本業が弁護士である事などを聞くが今のユリからは想像が出来ない。
ユリの作った衣裳を身に纏い公務先から戻って来た。
衣裳の評判が良かったので知らせようと思ったウィル王子はクロードを連れてユリの部屋に向かう。
ウィル:「まさかこの部屋をユリに?」
クロード:「はい。正直続くか分かりませんでしたので」