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王子様のプロポーズ〜クロード編〜

第3章 フィリップ城へようこそ

ユリ:「あの・・どうしてこの部屋に変わったんですか?」


ユリは兎のぬいぐるみを抱えベッドから降りてワンピースのパジャマに素足で新しい部屋をキョロキョロと見渡す。


すの姿はまるで少女の様で無防備だ。


クロード:「コホンッ!それはウィル様が貴方を正式にデザイナーとしてお認めになったからです。」


ユリ:「本当?」


クロード:「ええ」


この言葉が誤魔化しなのはユリにはお見通しだったが敢えて突っ込まなかった。


クロード:「それよりもお聞きしたい事がございます」


ユリ:「何ですか?」


クロードはユリをソファに座らせその向かいに自分も座るとポケットから薬の残骸を見せた。


クロード:「いつからこれを処方されているのか教えて頂けますか?」


ユリ:「!」


クロード:「昨晩貴方の部屋に訪れ何度も起こしましたが深い眠りに付いていたので私がこの部屋まで貴方を運ばせて頂きました」


ユリ:「それは・・すみませんでした・・」


クロード:「それで今まで徹夜で作業していたのは眠れなかったからですか?」


ユリ:「はい・・」


クロード:「ウィル様はノーブル様から貴方の事は色々と伺い弁護士としてではなくデザイナーとして雇われましたが・・もし重症ならこれ以上無理に働かせる訳には参りません」


ユリ:「それって・・クビって事?」


クロード:「最悪そうなっても仕方ないでしょう」


ユリ:「・・・・」


クロード:「まあ、私も少々厳しい要求をしてしまった所為もありますから・・しばらくはゆっくり安静にしてて下さい」


ユリ:「分かりました。あの・・外出は許されるんでしょうか?」


ピクッとクロードの眉が動く


クロード:「まさか今からお出掛けでも?」


ユリ:「今日がダメなら明日でも良いんです。買い物がしたいのとフィリップは初めてなので街を少し歩いてみたいだけなんですけど・・ダメならいいです・・」


どんどん声が小さくなってショボンとしていくユリを見て


クロード:「分かりました。なら明日の午後街をご案内致します。」


ユリ:「えっ!良いんですか!?」


クロード:「ええ、明日は特に公務も忙しくありませんので」


ユリ:「ご案内ってクロードさんも付いて来てくれるんですか?」


クロード:「何か問題でも?」







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