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王子様のプロポーズ〜クロード編〜

第1章 プロローグ

ユリは今は亡き最愛の人物を想像して服をデザインして見る。


思いの外夢中になって描いているのを後ろからピエールが覗いている事に気付かなかった。


ピエール:「素晴らしいわ!ビューティフル!!ベイビーちゃん!採用よ!」


ユリ:「(べ、ベイビーちゃん??💧)」


ピエールはユリを顧問弁護士だけでなくしばらくデザイナーとしてうちで働いて欲しいと言って来た。


そんなユリをスタッフの中にはユリを良く思わない者もいれば心良く受け入れてくれる者も居た。


やり方やノウハウを教わりながら案外こういう仕事も自分に向いている事に初めて気付き驚く。


余裕のある時は遠目に人間観察をしてみる。



暫くしてピエールが全スタッフを集めて言う。


ピエール:「よく頑張ったわね!ベイビーちゃん達。今から提出してくれたデザインの中からショーに出すものを5つ上げるわ」


するとデザイナースタッフ達の緊張が伝わる。


順に発表する中から驚く事にユリのデザイン画が選ばれた。


ユリ:「え!?」


女性:「凄いじゃない!ユリ!」


ユリ:「何で・・??」


ファッションの世界ではど素人のユリのデザインが選ばれ困惑する。


ピエール:「それじゃあ皆んなショー迄に間に合う様に力合わせて頑張るのよ!」


全員:「おー!」



こうしてユリの新しい世界で新しい人生をまた一歩踏み出したのだった。



そう思ったのも束の間、忙しくショーの服を縫う作業を手伝っていた時、ユリはピエールに呼ばれフィリップ城へお供する事になった。


弁護士の仕事で行くのかと思ってスーツに着替えビシッと決めてピエールの後について行く。



お城の入り口に来るとダークスーツをビシッと着こなした端整な顔立ちした男がピエールを迎える。


男:「こちらの方は?」


ピエール:「うちで新しく雇ったスタッフよ。」


ユリ:「駒欄です」


男は無愛想なまま渋々2人を案内した。


その時ピエールは小声で


ピエール:「ウィル様の執事のクロードさんよ。覚えておきなさい」


ユリは静かに頷いた。



クロードはウィル王子の執務室の扉を開ける。


クロード:「ウィル様。ピエール様がお出でです。」


ウィル:「通せ」

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