王子様のプロポーズ〜クロード編〜
第1章 プロローグ
ピエールと共に執務室に入るとそこに金髪のそれは美しい美貌の男性が無表情で座っていた。
ピエール:「ご機嫌よう。ウィル様」
するとさっきまでの無表情が一変し愛想の良い表情で笑顔で挨拶を返した。
ウィル王子はフィリップ王国の第二王子。
第一王子のジェームスは医師を目指し王の座を第二王子のウィル王子に譲ったとユリは一応6カ国の情報は軽く頭に入れていた。
日本とは全く異なる独裁国家のでありながら6カ国は繁栄している。
まさか王子にお目に掛かれるとは思わなかったとぼんやり思っているとウィル王子がこちらをじっと見つめている事に気づいた。
ウィル:「君は?」
ユリ:「・・・・」
ピエール:「失礼、この子は先日雇ったスタッフです」
何故か弁護士からスタッフになってしまったユリは恭しく頭を下げ自己紹介する。
ユリ:「駒欄といいます」
ウィル:「そう」
ニコッと優しい笑みが返って来た。
そしてピエールは早速本題に入り発注のシャツを2点テーブルに並べて見せた。
ピエールはそのシャツを説明しながらも自分のお勧めを伝えるとウィル王子は徐にユリに意見を求めて来た。
ウィル:「君は?」
ピエール:「!」
ユリ:「はい?」
ウィル:「君の意見が聞きたい」
ユリ:「そうですね・・私は逆にこちらのブルーのシャツが落ち着きがあって良いと思います。」
ウィル:「本当?僕もそう思う」
ウィル王子はユリの選んだシャツを買い取った。
帰り道
ピエール:「ウィル様が意見を求めたのは初めてだわ」
ユリ:「そうなんですか?」
ピエール:「貴方やるじゃない!やっぱり私の目に狂いは無かったという事だわ!」
ピエールは1人高いテンションに鼻歌混じりでスキップでもしそうな勢いで事務所へ戻った。
ユリはそんなピエールを見てこのまま流されたまま仕事を続けて良いものかと悩んだ。