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王子様のプロポーズ〜クロード編〜

第5章 パーティー

ユリはクロードに別室に連れて行かれみっちりと社交界のマナーの訓練をさせられた。


クロード:「下がり過ぎです!グラスは胸元より下げない!」


ユリ:「(細かっ・・!💧💦)はい!」


クロードの厳しい声が飛ぶ中ユリは懸命に作法を短時間で習得していった。


クロード:「ではそろそろお時間ですので会場まで私がエスコートして行きます。まだ時間があればダンスのレッスンもしたいところですがやむおえません」


ユリ:「ダンス?私も踊らないといけないんですか?」


クロード:「パーティーに出席する以上の最低限のマナーです。今回は突然ですが各国の主要の方々が招かれます。ダンスタイムに声を掛けられる事もあります。そんな場合断るのは相手方に恥を掻かせる事になります。」


ユリ:「そうなんですね。でも私ダンスなんて踊った事ありませんよ?逆に相手側に迷惑になるんじゃ・・」


クロード:「ええ、ですからなるべく私の目の届く場所に居て下さい」


ユリ:「分かりました。」








パーティー会場に入ると以前参加したファッションショーの打ち上げパーティーとは比べ物にならない煌びやかな世界が広がっていた。


しかし会場に入った途端に色んな人の声やグラスとグラスの当たる音、奥の方から聴こえるオーケストラの演奏から人々が行き交う靴音・・
ユリの耳に様々な音が聞こえて来る。


せめてノイズキャンセリングヘッドホンでも付ければマシになるのにとそっと息をつく。


ユリ:「(はぁ〜・・)」


クロード:「ではユリ様私は一旦離れますので呉々も問題を起こさぬ様にお願いします」


ユリ:「人をトラブルメーカーみたいに言わないで下さいよ・・それにクロードさん側に居てくれないんですか?」


クロード:「ええ、今から招待客の案内を手伝わないといけません。ですが直ぐに戻ります」


ユリ:「それじゃあ、私は粗相が無い様に端っこで大人しくしています。」


クロード:「それは難しいかもしれません」


ユリ:「え?」


クロード:「既に会場の皆さまはユリ様に興味がおありの様です。」


確かにみんなの視線と話し声が自分の事になっている事には気づいていた。


すると見覚えのある人物がこちらに近づいて来る。









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