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王子様のプロポーズ〜クロード編〜

第6章 契約

心情を隠した様な無表情で返事をするとウィル王子はユリの耳元で何かを囁く。


ウィル:「(それじゃあ、今日からよろしくね?僕の恋人)」


ユリは小さく頷くとウィル王子は満足気に笑みを浮かべ歩いて行く。


その後ろ姿をユリとグレン王子が見つめる。


するとクロードがウィル王子の前に現れる。


クロード:「ウィル様、直ぐに会場へお戻り下さい」


ウィル:「分かってる」


ウィル王子はクロードを無視する様に先に進むとクロードは小さく溜息をつき立ち止まるとくるりとユリに振り向く。



クロード:「ユリ様、ドレスを着替えるだけで随分とお時間が掛かっていたようですが何故なのですか?」


少し棘のある言い方をするクロードにユリは平然と答える。


ユリ:「あまりにもドレスが沢山あってどれを着たら良いか分からなかったんです。すみません、ウィル様を引き止めてしまって」


クロード:「いえ、分かって頂けているのなら結構です。今後は気を付けて下さい。貴方がウィル様と一緒にいる事で誤解を招く事もありますから」


ユリ:「誤解?」


ユリはグレン王子と顔を見合わせる


グレン:「ああ・・確か婚約者がいたんだっけ」


ユリ:「成る程・・」


ユリは納得する


クロード:「ところでグレン様、ユリ様に会わせたい方がいらっしゃるのでは?」


グレン:「ああ、今から向かうところだ。あんた三枝大臣を知っているか?」


ユリ:「三枝・・いえ、三枝検事でしたら。大臣といと三枝検事の父親でしたよね?」


グレン:「流石に詳しいな。」


ユリ:「大臣が私に会うってクレームですかね?」


グレン:「いや、そうじゃない。あの法廷で大臣はあんたを偉く気に入ったみたいだからな。まあ、会えば分かる」


ユリ:「そうですか。じゃあ行きましょうか」


クロード:「ユリ様、くれぐれも問題は起こさない様にお願いしますよ」


ユリ:「分かってます💧」


頬を膨らませて言うと先ほどまで無表情だったクロードに笑みが浮かびクスッと笑われる。


ユリは少し拗ねた表情をしながらグレン王子と共にパーティー会場へ戻って行った。

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