王子様のプロポーズ〜クロード編〜
第6章 契約
パーティー会場に戻ると60代ぐらいの貫禄のある男性がワイングラス片手に会話しているのが見える。
グレン王子がその男性に話し掛ける。
グレン:「三枝大臣」
振り返った男性はグレン王子を見つめ優しい笑みを浮かべたあとユリを見る。
三枝大臣:「グレン王子・・そちらの方が・・?」
グレン:「駆欄弁護士です」
ユリ:「どうも初めまして。駆欄ユリと申します。」
挨拶をすると三枝大臣はどこか嬉しそうに微笑むと手を差し伸べ握手を交わす。
三枝大臣:「こちらこそ初めまして。うちの息子がすまなかったね」
ユリ:「いえ、とんでもないです。私が言うのも生意気ですがきっと彼は良い検事なられると思います。」
三枝大臣:「うむ。そう言ってくれて嬉しいよ。だがしかし貴方が指摘してくれなければ息子は冤罪を犯すところだった。」
困った様に眉を寄せる三枝大臣
三枝大臣:「オリエンスから今はフィリップに居ると聞いたがまたオリエンスに来る機会があったら皆で食事でもと思って居るんだが。勿論グレン様も一緒にどうかね?」
グレン:「僕は構いません」
ユリ:「私もまたオリエンスには来たいと思ってました」
グレン王子とユリの言葉に気を良くした三枝大臣。
しばらく3人での談笑に花を咲かせた後、三枝大臣の秘書がやって来て去って行った。
グレン王子と2人になると
グレン:「なあ、ちょっとバルコニーの方で休憩しない?」
ユリ:「ええ、賛成です」
グレン王子はウェイターからノンアルコールのグラスを2つ取りユリとバルコニー向かった。
ユリにベンチに腰掛けさせるとグラスをユリに差し出し自分も横に座る。
2人は黙ったまま飲み物を口にした後同時に『ふう〜』と疲れの籠った吐息を吐き出した。
グレン:「・・・・」
ユリ:「・・・・」
目が合い2人可笑しく笑い合う
グレン:「あんたまたオリエンスに来れるの?」
ユリ:「予定は立ててないけど行きたいとは思ってる。だから三枝大臣が食事にでも誘ってくれるならクロードさんかウィル王子にお願いして連休取ろうかなあ〜って。」
グレン:「ふーん・・」