テキストサイズ

王子様のプロポーズ〜クロード編〜

第6章 契約

ユリ:「そういえばグレン様って子供の頃にも同じ名前の男の子に会ったんだけど・・」


グレン:「それ今頃気付いたの?それとも態と言ってる?」


ユリ:「え?」


グレン:「あんたがオリエンスで裁判で暴れてる間に色々調べさせてもらったけど。俺とあんた日本で会ってたんだよ」


ユリ:「!」


?:「僕も居たんだけどね」


グレン:「ユウ」


ユリ:「え!?ユウってユウお兄ちゃん?」


ユウ:「やあ、ユリちゃん。綺麗になったね。見違えたよ。」


グレン王子とユリの前に端整な顔立ちの男性が爽やかな笑顔で現れた。







〜回想〜


それはユリがまだ施設に居た頃の話し。


ユリは良く施設を抜け出しあるお屋敷の近くの公園で歳近くの男の子2人と遊んで居た。


ユリ:「ねえ、一緒に遊ぼ?」


ユリからまだ幼いグレン王子に話し掛けた。


グレン王子は執事からキツく知らない人にくっ付いて行ってはいけませんと注意されていた。


当時のユリはみすぼらしい服を着せられ手足のあちこちに痣があった。


誰が見ても痛々しい姿に思わず


グレン:「お前痛くないのか?」


初めてユリに向かって言った言葉がそれだった。


そしてグレン少年の背後からユリの3歳か4歳ぐらい歳上の男の子が来た。


ユウ:「グレン此処に居たのか。探したよ・・・君は?」


ユリ:「わたしユリ。ねえ遊ぼ?」


ユリはグレン少年の服をクイクイ引っ張る。


グレン:「分かったから引っ張るな!それより手当てしねーと・・ユウ」


ユウ:「ちょっと待ってて。家から救急箱持って来るから」



これが初めて出会った時の出来事、ゼンとノーブル様より先にユウとグレン王子はユリと出会っていた事になる。


ユリは施設で虐めや大人達から虐待を受けていた。


しかし幼な過ぎるユリは教養も身についていない為か自分が酷い目に合っていたという自覚がない。


痣だらけのユリを見て歳下のグレン王子の方が異常な雰囲気に気づく。


そしてユリが施設から出て来る度にグレン王子とユウはユリと遊んでいた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ