王子様のプロポーズ〜クロード編〜
第1章 プロローグ
騒ぎ立てウィル王子に迫るロベルト王子。
誤解が無いように言うべきか一瞬思ったユリだがその前にウィル王子が一度会っただけだと言う。
ウィル:「それよりその呼び方辞めて欲しいんだけど」
会話が逸れたと思った矢先、ピエールは他の人に挨拶に行くと言い小声でパーティー楽しみなさいと言って離れて行ってしまった。
そしてジョシュア王子、キース王子はユリに挨拶する事も無くただジッとユリを見ている。
グレン王子は何か考え込んでいる様に思えるが少しだけユリには心辺りがあった。
このまま王子達と一緒に居てもと思いつつ頃合いを見計らって離れようとした時、会場の入り口の方から何処か懐かしい匂いと微かな足音が聞こえる。
ユリは幼少期の生活環境の所為か聴覚と嗅覚が一般レベルよりも高い。
ユリは自然とその懐かしい匂いと足音へ視線を向ける。
ユリ:「あ、のんちゃん・・?」
ボソッと溢れた呟きにロベルト王子達が反応する。
ロベルト:「ん?どうしたの?駒欄ちゃん」
ユリ:「すみません、失礼します!」
とドレスの裾を摘み小走りで走って行ってしまった。
ロベルト:「あっ駒欄ちゃん!」
ロベルトの呼び声を背中に受けつつもユリは目的の元へと走って行った。
王子達は怪訝にそのユリの行動を見つめ続けると会場の入り口からノーブル・ミッシェル城の城主 ノーブル様とその執事のゼンが現れた。
ユリ:「ノンちゃん!」
ノーブル:「おおっ!ユリちゃん!」
ユリは嬉しそうにノーブルに抱きつきノーブルもそれを嬉しそうに受け入れハグをする。
キース:「なっ!?どうなってんだ!?」
その光景に王子達全員瞠目する。
ジョシュア:「あいつノーブル様の事をノンちゃんなどと言っていなかったか?」
遠目からユリとノーブル様とゼンの3人が楽しそうに会話をしている。
先ほどまでと一変してユリは嬉しそうに笑顔で会話をしているの見ると各王子達は嫉妬心にかられた。