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王子様のプロポーズ〜クロード編〜

第2章 ノーブル様とゼン



それは50年も前の事


公務で日本を訪れたノーブルはある天才 科学者 段蔵(だんぞう)という男と知り合った。


ノーブルは段蔵をノーブル城へ何度も招く程友情を深めた。


しかし、その段蔵に悲劇が訪れた。


彼が日本を開けている間に研究した論文が盗まれやがて大学を追い出された。


盗まれた論文は同じ研究チームにいた仲間の1人が自分の論文として発表しそれが高い評価を受けノーベル賞を受賞し有名になった。


段蔵はショックのあまりしばらく何も手につかなかった。


信じていた仲間に裏切られ社会を憎む様に姿を消した。


心配になったノーブルは暇を見つけてはゼンを連れ段蔵の行くへを探した。


彼はホームレスになっていた。


ホームレスの住居に幼い女の子も一緒だった。


段蔵は以前よりも痩せ細ったが思いの外元気に暮らしていた。


段蔵:「ユリご挨拶なさい」


ユリ:「はい!くらんゆりです!」


女の子はハキハキとノーブルとゼンに挨拶した。


因みにこの頃のゼンもまだ若い少年だった。


彼も親に捨てられノーブル様に拾われた身だった為、ユリを見て自分と同じ境遇なのだと同情心を抱いていた。


ノーブルは段蔵と2人で話しをするべくゼンにユリの遊び相手をさせた。


ユリはゼンを兄の様に慕う様になりノーブル様を見ては魔法使いのお爺さんと言って懐いていた。


一週間の滞在期間にユリはノーブルとゼンを気に入り過ぎて2人が帰国する日に泣いてしまう程だった。


ゼン:「ユリ、これあげるから泣くな」


ユリ:「グスッ・・うん・・//」


ゼンは偶々開いていたお祭りの屋台で買った髪飾りをユリの髪に付けた。


ゼン:「うん、良く似合ってる」


満足そうに微笑むゼンを不思議そうに見つめるユリは良く分からなくてもゼンの優しい笑みに心が綻んでいた。


ユリ:「ノンちゃんまた来てくれる?」


ノーブル:「勿論じゃとも。なあ、ゼン」


ゼン:「はい」



しかしその後段蔵とユリの身に悲劇が起きる。



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