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第1章 窓の向こう





「右手伸ばせば届くじゃない」


「先生病人にこき使っていいの?」




返事も面倒臭い


だから表情ひとつ変えず適当に返した




「病人って、今は元気でしょう?」


「はいはい分かりました」




気怠そうに身体を伸ばし
透明な箱の取っ手を掴んだ

中には白い布が敷き詰められている



「はい先生」



「ありがとう」




優しく微笑む天野先生は

本当に女神様みたい




その時だった



ドアを勢い良く開けて入ってきたのは

野球帽を被った男の子





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