
ベース
第1章 窓の向こう
「中島君 ここに肘置いてね」
「はーい
そうだ黒瀬、お前そろそろクラス来いよ
テストもうすぐだし」
入学式と新学期当日しか教室に入っていないまま
保健室に通い続けて2年1ヶ月
中学の時、喘息持ちってだけで
友達には避けられ 教師には変に気遣われ
迷惑しか掛けられない自分が嫌で嫌で
いつの間にか不登校になってた
進路とか色々あると思うから
高校ではせめて勉強はしたいと思った
だからって教室にいると迷惑掛けるし
今更クラスに馴染めっこ無いし
それに
「天野先生勉強教えるの上手だもんね」
「えっ、翔子ちゃんそうなの?
俺にも教えてよ」
激しい運動も駄目
過剰なストレスを抱えても駄目
身体的にも精神的にも
此処にいる方が
私にとって一番いい
