
ベース
第1章 窓の向こう
翌日の昼放課 保健室に中島君は来た
「うぃっす」
「なあに? 部活もまだなのにもう怪我でもしたの?」
いやいや 杉山高校のマドンナに会いに来ただけでしょ
そう思ったのも束の間
「残念翔子ちゃん
黒瀬に用があって来たんだ」
「え ?」
予想もしてなかったいきなりの事なので
ボーッとグラウンドを見詰めていた視線が一瞬にして中島君に移った
中島君は何やら学ランのポケットから折りたたまれた紙を私に差し出した
「マネージャーになって下さい‼︎ 」
「…… え?」
数秒時が止まる
目を見開いた 自分の耳を疑った
