
oh!my honey!
第2章 two
安「なぁ、この後、予定ある?ご飯いこー。」
収録終わりの楽屋で、急にそんなお誘いをしてきたヤス。
さっさと帰ろうとしていた俺としては、
思わぬ予定変更に、ドキドキで。
ヤスはまだ帰る支度をしていなかったので、
とりあえず先に、マネージャーの運転する車へ乗り込む。
待っている間にあっさりしたもんがええというヤスのために、海鮮系の創作料理の店を手配してやった。
グルメリポートの仕事は、こういうときこそ役立つ。
安「お待たせ〜、お店決めてくれた?」
いつもは派手な私服のヤスだが、
今日はいつもより大人しめの服を纏って
車に乗り込んできた。
横「おー、お前が好きそうなとこ予約したで。」
安「ほんま?ありがと〜。やった!」
何気ないことにも、素直に喜んで、笑顔になってくれるヤスを見ていると、安心する。
ドキドキするだけじゃなく、
ヤスには、この安心感があるから、
俺はそばにいたいと思う。
俺が事前に伝えてあった場所へと、
マネージャーが車を走らせる。
道中、ヤスと、今日の仕事のことを話したり、これから行く店のことを話したりした。
特にこれといって面白い話題でもないのに、ヤスはキャッキャッと楽しそうに笑っていて、自然と俺も笑っていた。
そんな車内ならもちろんのこと、店までの時間はそう長くは感じなかった。
店まで送ってくれたマネージャーにお礼を言って、別れる。
さぁ…外とはいえども、ここからはほんとにヤスと二人っきり。
安「ほわぁ〜。なんか、おしゃれやなぁ。」
俺の隣で、店の看板を見上げたヤスは、
心底感心している様子だ。
横「ほら、いくで。」
店内へ入ると、暖房の効いた暖かい空間にほっと、肩の力が抜ける。
予約しておいた通り、店の奥、何室かしかない個室に通してもらい、
注文も、お腹すいてんねん!と言うヤスが、ぼんぼん済ませてしまった。
とりあえずのビールで乾杯をして、
運ばれてきた料理に舌鼓をうつ。
