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ネイキッドな君

第1章 俺は君を見つけ、

夏樹はわざと軽い口調で誘った。

「はいはい。えっと、その…
君、生徒会に入ってみない?」


「嫌」


亮は即答すると席を立ち、教室を出ていってしまった。


「ちょ、ちょっと待ってよ!」


夏樹は急いで追いかける。


「お試しでもいいから、取り合えず1週間だけ、ね?」


「嫌です」


廊下を速足で歩く亮を夏樹が追いかける姿は注目されない訳がなく、廊下にはあっという間に野次馬ができる。


「俺が名前間違えて怒ってるなら謝るからさ」


「名前は気にしていないと言ったはずです」


「じゃあ、何で怒ってんの?」


「怒っていないと言っているでしょう?」


「でも、明らかに不機嫌じゃん」


すると、急に亮は足を止めて振り返った。


「ああ!もう、面倒くさい奴だな、お前は!」


そう言うと亮は夏樹の手首を掴み、走り出した。

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