
猫とケモノと時々へんたいさん。
第1章 0* どうしてこうなった
ドーナツを口にパンパンに詰め込んだろーずをみて、ヨーコは本当に嬉しそうに笑った。
そんな中、鋭い悲鳴が街中に響き渡った。
「は、はひっ!?」
「いい加減食べるの止めなさいって!」
みーなは言いながら、声のした方に向かう。
そこには、ナイフを小さな女の子の首に当て、狂った様に怒鳴り散らす筋肉質な男がいた。
ーーー助けようとしている人は、誰一人としていない。
「ままあああっ!!」
「フィーナ!お願い、なんでもします、フィーナを離して!」
母親らしき女性は懇願するが、そのお願いを最初から聞く気がないらしい、その筋肉質な男はまた怒鳴り散らした。
「いいから、早く金をよこせ!さもないとガキは死ぬぞ!!」
見ると、男はジュエリーショップの男性にそう言っているようだ。
なるほど、ジュエリーショップなら金庫にでもある程度の額は入っていると予測したのか、とみーなは考えを巡らせる。
でも、やり方が汚い。
敢えて立場的にも身体的にも弱い小さな女の子を人質に取るなんて、悪魔のするコトだ。
・・・だからと言って、無闇に動いたら本当に男が女の子の首を切りかねない。
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