
猫とケモノと時々へんたいさん。
第1章 0* どうしてこうなった
すると、パチパチと一際大きな拍手をする音がする。
そちらを見ると、高級そうな服を身に纏う引き締まったスラリとした長身に艶やかな黒髪。そしてヨーコとはまたちがう、何処までも冷たい溶けることのない氷のように澄んだ薄い蒼の瞳に、優しそうに微笑む口元。見るものを魅了する程の容姿を兼ね備えた男性が、熱い視線をみーなに浴びせていた。
イケメン嫌いで有名なみーなちゃんは、そりゃあもう。
何か悍ましいものを見たかの様なそんな何とも言い表せない程の表情を浮かべた。
それを見たろーずは瞬時にヤバイと感じた。
何がヤバイって。
例えば、世界寿命が訪れたとか。
海の面積が増え、人類が魚類へジャンル変更しなければならない、とか。
宇宙人が侵略して来て、人類がほぼ絶滅し、復興不可になる程破壊の限りを尽くしたのちに、『破壊する惑星(ほし)間違うてもうたwほな、さいなら』と首相官邸にメールで届いた、とか。
そう言った自体の方がよっぽど優しく思える程、ヤバイ。マジでヤバイ。できれば逃げ出したかった。
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