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「敦くんて、ほんと、カッコいいよね！」

走り終えた女子たちの話し声がやけに耳障りに感じていた。

「敦くんに告白しようかな。」

そう呟く声にも敏感に反応してしまう、夏海。

『夏海ちゃん、お疲れ様！』

ポンと肩を叩いた、美桜に

「敵わないわ。美桜ちゃんには。」

ポツリと夏海が呟いた。

『え？そんなことないよ。追い掛けられると思って必死で逃げた感じだよ。』

そう素直に言った。

「一番の人のセリフだね。二番目の気持ちなんて分からないでしょ？」

睨みをきかせて、美桜に静かな怒りをぶつけていた。

『夏海ちゃん？』

「所詮、天才には分からないよね。努力家の気持ちなんてさ。私がどんな思いで毎日必死に練習してきたか分かる？毎日毎日！どんなにツラくても、あなたに負けたくない一心でやってきたのよ。」

静かな声で静かに話す夏海の姿は背筋がゾッとするような雰囲気だ。

「それに！」

急に声が大きくなり、美桜は驚いた。

「敦くんと付き合ってるんでしょ？」

『え？どうして？』

理沙と知抄以外には話してないのに、夏海が知っていて、再び驚いた。

「とぼけないでよ！私、敦くんのこと、ずっと好きだったの。だから、分かる。」

『そうだったんだ。』