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同窓生

第13章 新学期

次は美桜が走る番だ。

理沙と知抄と夏海も一緒だ。

夏海も陸上部だ。しかも速い。

美桜は良いライバルの一人と思っていた。

まだ夏海に負けたことはないが、夏海は努力家だ。毎日朝練して、毎日一番遅くまで走り込みをしている。

「位置について……よーい……」

ピーッ!

風を切る、この音が何よりも大好きな音。

美桜は耳に当たる風から季節を感じていた。

「石田、佐伯、山崎、佐野の順な。」

夏海の努力が実っていく。

「くっ!!」

夏海は悔しいようだ。

一番になりたくて、美桜を抜かしたくて、朝練には人より早く来て、放課後の練習も人より長く残って、フォームの改善や、スタートの練習を積み重ねてきた。

しかし、美桜に一度も勝てない。

加えて夏海は敦のことが好きだった。

そしてどうやら二人は付き合っているらしい、確証めいたものをさっき、目の当たりにし、夏海は嫉妬で気が狂いそうだった。

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