
ずっと君が好き。
第1章 ヒロセコウキ。
名前…憶えててくれたんだ
何故か、胸の奥の方が苦しくなる。
「早く、西澤」
あたしは廣瀬の肩と背中を支えながら、ゆっくりと立たせた。
そしてあたしの肩に腕をのせて、右膝をかばいながら歩く廣瀬。
こんな時に不謹慎だけど、なんだか彼が可愛くみえた。
「……廣瀬、大丈夫?」
体育館を出て廊下に出た時、あたしは前を向いたまま聞いた。
「廣瀬かあー、なんか廣瀬くんの方が呼び方可愛かったけどなー」
「…別に、可愛さとか追求してないし!」
「ははっ…そんな感じするー」
んなっ…
図星だから何も言えない。
