テキストサイズ

俺が教えてやるよ。

第1章 可愛いね、お姉さん

「…桃香?」

他の女の子に言ったらボコボコにされるな、きっと。
『……あの笑顔、絶対裏があるから』

「えーっ?」

『…あんなの、おかしい』
ずっと思ってた。毎日嫌な顔ひとつしないで、みんなに笑顔振りまくなんて、変だもん。

「でも、そこがいいんだよ?」

『へっ?』

「あれだけ、かっこいいんだから、そういうのがいい。いや…むしろ、そうであってほしい…」

『え……』

ピンク色のオーラを放つ香苗。
…あぁ、始まった、香苗の妄想タイム。
あーダメだ、これじゃあ話にならない。
香苗を無視して、あたしは残りのバナナオレをすべて飲み干した。

…バカげてる。
あんな男の好きなように動かされてるなんて、この学校はバカげてる。

あたしは認めない!
あの男の好きなようにはさせないんだから!!

ストーリーメニュー

TOPTOPへ